「犬神家の一族」市川崑 1976


犬神家の一族 (1976年版) 予告編

1976年制作、横溝正史の同名小説を市川崑が監督、映画化したもの。角川映画の1作目でもある。出演は主人公の金田一耕助石坂浩二、脇役に高峰三枝子あおい輝彦島田陽子など。

大晦日の「笑ってはいけない」で犬神家のパロディをやっていて、また観たいと思ったら、まさかの翌日深夜に地上波放送という奇跡なのかKBS京都が意図して狙ったのか良く判らない流れで、何年かぶりの視聴。

何度も観てる映画なので、今回はだら観ならがも、美術に注目して鑑賞。和洋折衷の犬神家の屋敷(和室でも照明は洋風だったり、縁側に面した和室の畳の上に椅子とテーブルをおいてテラスルームっぽくしてたり)の作りは面白いなぁと思う。

ところで、映画では第四の殺人(有名な湖から両足だけが付きだした死体)の見立てについての説明がない。一応、斧による殺害なので見立てとして成立しているとは言えるけど、何故、湖で逆さになっているかの説明はない。崖から落としたらたまたま偶然そうなったというだけで、衝撃的な絵面以上の意味はない。原作では一応、見立てのためにあのように死体を細工したということになっているのだが、その見立てが「いくらなんでもそりゃないわ」という感じなものなので、監督の市川崑や脚本家の判断でオミットされたんだろうか。そこら辺の真相、是非とも知りたいものだ。(映画の構成上、第四の殺人の被害者の正体はすでに明らかであるから見立てが成立しないという理由も大きいんだろうけど)


犬神家の一族 (1976年の映画) - Wikipedia

2016年に著作権が消失した作家

2016年にパブリックドメイン入りした著作者 - Togetterまとめ

毎年正月になると気になるのは、その年に著作権が消失した作家のこと。人死に関することなのであまり良い趣味とはいえないが、その著作が自由に使えるかどうか、青空文庫で公開される(かもしれない)かどうかは自分にとっては割りと大きなことなので、どうしても気になってしまう。

さて、2016年に著作権が消失した作家だけれど、個人的にも世間的にも谷崎潤一郎江戸川乱歩の二人が含まれていることは大きい。乱歩は全集を持ってるし、谷崎も読みたいような作品はすでに読んだか部屋の何処かに積まれてるので、無償で読めるかも。という点に大きな魅力は感じないけれど、電子化されたテキストが入手可能になるかもしれないというのはありがたい。例えば、乱歩の作品の中で有田ドラッグの描写があるのは何て作品だっけ?なんて時にさくっとPCで検索できるのは、全集を片っ端からペラペラめくるのとは雲泥の差だ。(ちなみに有田ドラッグが出てくる乱歩の作品は「白髪鬼」だが、まだ見落としてがあるかもしれない。)

谷崎と乱歩以外にも、今年は高見順梅崎春生中勘助といったビッグネームがいるし、「新青年」編集長だった森下雨村や、作家ではないけれど精神科医で「二笑亭奇譚」の著者である式場隆三郎やデザイナーの杉浦非水なども大変気になる。あと、これは凄く意外だったのが「夏の葬列」で知られる作家山川方夫で、戦後の作家である山川方夫が何故?と思ったら、1965年に交通事故で34歳という若さで亡くなられていたのだそうだ。


【レトロ】杉浦非水のデザイン【モガ】 - NAVER まとめ